吸気、排気系の改善を行い、キャブのセッティングまで行ったので、エイプのパワーが引き出されました。
ただ、純正のスプロケットのままだと、ローギアード設定になっているので、ハイギアード設定に補正し、加速を滑らかにし、さらにトップスピードも伸びるようにします。
調整するには、前後のスプロケットを変更することにより可能です。
「エイプ50の純正」は、以下の仕様となっています。
ドリブンスプロケット(フロント):14T
ドライブスプロケット(リア) :46T
また、フロント、リアスプロケットの調整について、以下に概要を記載しました。
フロント(ドリブン) | リア(ドライブ) | |
---|---|---|
歯数(T)を増やす | 加速が悪くなる 最高速が伸びる | 加速が良くなる 最高速が伸びなくなる |
歯数(T)を減らす | 加速が良くなる 最高速が伸びなくなる | 加速が悪くなる 最高速が伸びる |
今回の目標としては、以下になります。
- 加速を緩やかにして各ギアを使えるようにする。
- 最高速が伸びるようにする。
そのため、「フロントの歯数を増やす」または「リアの歯数を減らす」として調整します。
「フロント歯数を1つ増やす」=「リア歯数を3つ減らす」に相当するようなので、フロント歯数を2つ増やしてみたいと思います。
ここで、なぜフロントなのかというと、フロントだと、歯数は「2つ増加」ですが、リアだと「6つ減らす」ことになるので、チェーンの調整(チェーンの切り詰め)も必要になるかもしれないので、まずフロントで様子をみることにしました。
準備
■パーツ
- フロントスプロケット:16T(キタコ)リンク
- クランクケースカバーガスケット: ポッシュ(POSH) クランクケースカバーLHガスケット APE 295038 リンク
■工具
- コンビネーションスパナ
- ラチェットハンドル
- ソケットレンチ
- トルクレンチ
- スクレーパー
事前準備
1.クランクケースカバーを外す
ボルト5本で固定されているため、全て外します。
2.ガスケット除去
最初にクランクケース側のガスケットを除去します。
※今回は綺麗に取れたので除去していませんが、通常は除去するべきかと思います。密閉出来ていないと、水分が侵入し、クランクケース内に錆が発生してしまいますので。
緑色の紙ガスケットをスクレーパーで削り取ります。
次に、エンジン側のガスケットを除去します。こびりついてると結構大変です。
3.リアアクスルナットを緩めます。
4.左右のアジャストナットを緩めておきます。
フロントスプロケット外し
フロントスプロケットのボルト2本を緩めて、スプロケットを外します。
スプロケットが回ってしまう場合は、バイクに股がってリアタイアを地面に押し付けます。
フロントスプロケット取り付け
キタコのフロントスプロケットを取り付けます。
フロントスプロケットをフィキシングプレート(銀色の金具)で押さえつけるようにし、ボルトで固定します。
歯数は14T⇒16Tで、2T分増加のため、チェーンのリンク数は変更せずに張ることができました。
チェーンの遊び調整
サービスマニュアルに従ってチェーンの遊びを調整します。
チェーンの遊びは、25mm~30mmなので、上からチェーンを押し下げて、遊びの範囲内に収まるように、左右のアジャストナットで調整していきます。
事後作業
1.リアアクスルナットのボルトを締めます。
締め付けトルク:62Nm
2.クランクケースカバーのボルト締めます。
締め付けトルク:10Nm
3.チェーンの遊びを再確認します。
4.リアブレーキの確認
リアブレーキがしっかり効くことを確認します。
完成
結果、加速が少しマイルドになり、各ギアが交換前よりは使えるようになりました。
最高速は、5速でぬわkmプラスになりました。