ケーヒンPC20キャブセッティング(エイプ50)

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バイク

純正キャブ(PB14)からケーヒン製PC20(キタコ仕様)に交換しましたが、私のエイプの仕様では、キタコつるしのセッティングでは燃調が合ってないので、セッティングしていきます。

今回もキャブセッティングについては、「ヨシムラ」のサイトを参考にさせて頂きました。
https://www.yoshimura-jp.com/products/engine/setting

注)以降にセッティングパターンを記載していますが、エンジンの状態、カスタム内容によっては必ずしも同じセッティングで決まるわけではないので、参考までとしてください。

では、やっていきます!

事前準備

キャブレターセッティングを行うために以下のものを購入しておきます。

■パーツ

  • MJ(メインジェット):85番、90番、95番、100番、105番、110番セット(デイトナ製)
  • MJ(メインジェット):110番、115番、120番、125番、130番、135番セット(デイトナ製) ※必要になったら購入する
  • PJ(パイロットジェット):35番(キタコ製)必要になったら購入する

JN(ジェットニードル)は、MJ,PJ,AS(エアスクリュー)をどう変更しても決まらない場合に購入を考えます。

また、キタコのつるしは、MJ、PJ、JN、ASの仕様は以下となります。

MJ:95番
PJ:38番
JN:上から3番目(5段階調整)
AS:一回転半戻し

■工具

  • コンビネーションスパナ
  • ラチェットハンドル
  • ソケットレンチ
  • ドライバー(プラス、マイナス)
  • コップ ※ガソリンの受け皿 
  • ペーパータオル

キャブレター外し

ジェットを交換するには、キャブレターを外す必要があります。

キャブレターの外し方は、純正キャブと同様なので、以下を参考にしてください。

一点違うところは、キャブレターからのガソリン排出方法です。

純正キャブは、以下のように排出していました。

比べて、ケーヒンPC20の場合は、以下のようになります。

下のホースからではなく、ドレンボルトから出てきますので注意です。

ジェット交換方法

1.フロートチャンバーボディを取り外します。※フロートチャンバーボディは、キャブレター下側の部分となります。

2.フロートチャンバーボディを外すとメインジェット、パイロットジェットを確認できます。マイナスドライバーを使って取り外しが出来ます。注)マイナスドライバーは、先端の幅がピッタリのものを使いましょう。何回も取り付け、取り外しを行うとナメてしまいますので。

現状仕様確認

注)今回のキャブセッティングは、夏場の気温30度付近、多湿の条件で実施しています。気温、湿度によりセッティングが変わってくるのでご注意ください。

  • キャブレター(キタコ仕様ケーヒンPC20)
  • 純正エアクリーナーボックス+CRF100純正ダクト
  • エアフィルター(デイトナターボフィルター)
  • マフラー(モリワキ)

暫定セッティング(エアスクリュー、アイドリングスクリュー)

最初に、エンジンをかけた時(冷感時)のセッティングをしていきます。

とりあえず走れないと全体セッティングが出来ないので、エンジンが暖気されていない状態で行っていきます。

まずは、アイドリング時に「エンジン回転数が2000rpm付近であること」を目指します。※ストールしにくくするため、高めの回転数としています。

エンジン回転数を調整するには、アイドルスクリューをマイナスドライバーで回します。

右に回すとエンジン回転数があがり、左に回すと下がります。

エアスクリューは、パイロットジェットの空気量を調整します。これもマイナスドライバーで調整します。

右に回すと、空気の量が少なくなるので、燃料は濃くなります。逆に、左に回すと空気の量が多くなるので、燃料は薄くなります。

キタコつるしの状態だと、完全に閉めた状態(右に回らない)から、一回転半戻しになっているかと思うので、この状態になっているか実際に回してみます。ずれていたら修正しておき、ここを基準として始めます。

調整方法としては、アイドルスクリューでターゲットの回転数(2000rpm)に合わせ、エアスクリューを回して回転数が上がるところを探します。

エアスクリューを回して回転数が上がるのは空燃比が理想値に近づき、効率的に燃焼し始めてきたということを示しています。

セッティング方法としては、エアスクリューを回して回転数が上がったら、アイドリングスクリューを回して回転数を2000rpmに合わせる、を繰り返していきます。

エアスクリューを回しても回転数が上がらなくなったら、45度くらいエンジン回転数が上がるほうに戻しておきます。

シビアにセッティングをだそうとすると、エンジン始動性が落ちるので、少し余裕を残しておきます。

ちなみに、私のエイプは、キタコつるしの一回転半戻しで特に問題ありませんでした。

重要)アイドルスクリュー、エアスクリューは、MJセッティングがある程度決まったら再度行います。

キタコつるしセッティング

キタコつるしのジェットの仕様です。

ジェットセット説明
MJ95番キタコつるし
PJ38番キタコつるし
JN上から3段目
(真ん中)
キタコつるし
AS一回転半戻しキタコつるし
スロットル開度症状空燃比
0(アイドリング)問題なし
1/8問題なし
1/4問題なし
2/4失速薄い
3/4測定不能
4/4(全開)測定不能
4/4→急閉測定不能

■考察

アイドリングからアクセル開度1/4までは問題ないが、アクセル開度2/4を越えて回そうとすると、失速、つまりエンジン回転数が落ちていき、エンジン停止となる。空気の吸い込み量に対して、混合気が「薄い」状態になったと思われる。

■セッティング方針

アクセル開度2/4付近から失速するため、燃料不足と思われる。MJの番手を大きくし、燃料の量を増やしていきます。

セッティング1

MJを変更して確認します。

MJ100番95⇒100へ番手を変更
PJ38番変更なし
JN上から3段目
(真ん中)
変更なし
AS一回転半戻し変更なし
スロットル開度症状空燃比
0(アイドリング)問題なし
1/4問題なし
2/4ボコつきあり濃い
3/4問題なし
4/4(全開)失速する薄い
4/4→急閉問題なし

■考察

アクセル開度2/4を越えて回そうとすると、ボコつきが発生し、加速の途中で引っかかる。JNが合ってない(濃い)と思われる。ボコつきを超えたところ(アクセル開度3/4)は問題なし。アクセル開度4/4で徐々に失速していくため、燃料が足りない(薄い)と思われる。

■セッティング方針

アクセル開度4/4で徐々に失速していくため、MJを変更(番手を大きくする)して症状が変わるか確認する。JNは、MJを決定してから調整する。

セッティング2

「セッティング1」方針に従って「MJ」を変更します。

MJ105番100⇒105へ番手を変更
PJ38番変更なし
JN上から3段目
(真ん中)
変更なし
AS一回転半戻し変更なし
スロットル開度症状空燃比
0(アイドリング)問題なし
1/4問題なし
2/4ボコつきあり濃い
3/4問題なし
4/4(全開)失速まではいかないが、伸びない薄い
4/4→急閉問題なし

■考察

アクセル開度4/4、5速8500rpm付近から回らない。純正キャブの場合、9500rpmまで回ったので、まだ燃料が薄いと思われる。また、引き続きアクセル開度2/4でボコつきあり。

■セッティング方針

まだ燃料が薄い状態と思われるので、MJの番手をあげる。JNの方針は、引き続きMJが決まってからにする。

セッティング3

MJのみを変更していきます。

MJ110番105⇒110に変更
PJ38番変更なし
JN上から3段目
(真ん中)
変更なし
AS一回転半戻し変更なし
スロット開度症状空燃比
0(アイドリング)問題なし
1/4問題なし
2/4ボコつきあり
3/4問題なし
4/4(全開)問題なし
※ただし、回りすぎる傾向あり
4/4→急閉問題なし

■考察

アクセル開度4/4で、5速10000rpmを超え、さらに超えて回りそうるようになったが、純正カムシャフトだと振動が大きくなりすぎて危険と思われる。※純正カムシャフトは、純正キャブセッティングの時に、振動が大きくなりすぎて、9500rpmくらいが限界と思われるため。アクセル開度2/4でのボコつきは相変わらずあり。

■セッティング方針

MJは、一旦「110」で決定とする。5速9500rpmをレブリミットとして回さないようにする。アクセル開度2/4の時のボコつきを修正するため、JNを上から2段目に変更する。

セッティング4

JNのみを変更していきます。

MJ110番変更なし
PJ38番変更なし
JN上から2段目上から3段目⇒上から2段目へ変更
AS一回転半戻し変更なし
スロット開度症状空燃比
0(アイドリング)問題なし
1/4問題なし
2/4問題なし
3/4問題なし
4/4(全開)問題なし
※ただし、回りすぎる傾向あり
4/4→急閉問題なし

■考察

アクセル開度2/4でのボコつきがなくなり、途中で息継ぎすることなく、5速9500rpmまで回るようになった。

■セッティング方針

JNは、上から2段目で決定とする。

再セッティング(エアスクリュー、アイドリングスクリュー)

MJ,JNが決まったので、再セッティングしていきます。こんどは、暖気後に行います。

冷感時に行った方法で、以下に従って温感時のセッティングを行っていきます。

私のエイプは、アイドリング2000rpmに合わせ、エアスクリューは一回転+135°戻しとしています。

先に記載した通り、一回転+180°戻しだと、冷感時にエンジンのかかりが悪かったため、ベストと思われるセッティングを少し外しています。

完了

ひとまず、これでセッティングは完了です。

気温30〜25度、多湿(夏)におこなったので、気温低下、湿度低下とともにセッティングはずれてくるかと思います。

また、ケーヒンPC20キャブは、50ccではやや大きめのキャブなので、純正キャブの時のように、荒くアクセルを開けると、燃料が濃くなりすぎて、加速出来ないなど、クセが出てきます。

丁寧なアクセルワークを心がけましょう。

追加セッティング(参考)

ベストと思われる状態から、もう1つ上に変更することによりさらにベストの状態があるかもしれないので、「あえての変更」をしていきます。

追加セッティングでは、セッティング4からそれぞれ個別にMJ、JNを変更してみました。

1.MJの変更

110⇒115番手に変更すると、アクセル開度2/4からボコつき、アクセル開度3/4で「ボボボボっ」となり加速できない(燃料が濃い状態)。つまり、MJは110が適正。

2.JNの変更

上から2段目⇒上から1段目に変更すると、アクセル開度2/4付近で息継ぎ発生。アクセル開度3/4にすると、失速気味になる(燃料が薄い状態)。つまり、JNは上から2段目が適正。

3.セッティングのタイミングについて

暖気された状態で行うのが通常のセッティング方法かと思いますが、暖気された状態で限界セッティングを行うと、冷感時のセッティングを切り捨てることになるので、エンジンがなかなかかからず、キックペダルと格闘することになりますが、このあたりは好みかと思います。

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